杉本博司「歴史の歴史」展

 大阪の国立国際美術館でやっている杉本博司「歴史の歴史」展を見ました。世界各地の水平線を撮った海景という作品が良かったです。普段海面を見るときは何かしら人工物の干渉で波が複雑に混ざり合っていたりしていてその動きに目が行ってしまうことが多い気がするのですが、動かない穏やかな海面をじっと見ていると想像が膨らまずにいられません。細部の描写がその中へとひたすら引きづり込ませるリアリティを持っているからでしょうか。例えば暗闇の中に1980年のカリブ海の水平線と1996年の日本海礼文島)の水平線が隣あわせに配置されていたりするのですが、16年という歳月のもたらす変化や、ジャマイカと日本という場所の差といった日常の中での大きな差異がちょっとした波のパターンの違いの中に刻まれていているのを目の当たりにすると、自分の中で時間と空間のスケールがぐっと広がっていくのが分かります。カメラが欲しくなります。もう一度海がどんなだったか確認したくなります。展覧会は6/7までやっています。
「フクヘン」でのコンパクトカメラの特集がカメラ選びの参考になりました。
杉本博司さんの新しいカメラ!?
http://fukuhen.lammfromm.jp/2009/05/post_608.html
僕のカメラ
http://fukuhen.lammfromm.jp/2007/06/post_79.html