63年目のヒロシマ

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 63回目の夏をむかえたヒロシマ。帰省ついでに向かったのは商業地区と跡地利用の決まらない広島市民球場に隣接する平和記念公園原爆ドームは豊かな緑と世界中からの観光客に囲まれ、空は秋空に似た深い青色が広がっていました。
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 橋を渡り慰霊碑を巡り南へ歩いて平和記念資料館へ。地下での企画展は毎年変わるのでなるべく足を運ぶようにしています。今は「被爆建造物は語る」でした。地下の企画展は誘導していないからか無料なのに人がほとんど入っていない。観光客でごった返している常設展の数%も入っていない印象でした。企画展をやっている地下はいつも写真や絵や手紙など市民の思いが多く展示されていて、原爆に遭遇した人の生々しい体験を想像できるようになっているのですが、それとは対照的に地上と二階の常設展は簡潔に整理された大きなパネルやいかにもドラマチックな演出が施されていてとても資料館と呼ぶには。。テーマパークのような狙ったつくりももうすこしあるがままを見せることは出来なかったのか疑問です。
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 出口には追悼記念館への案内が出ていますが、前に一度行った時に、生命の重みからは程遠い建物のもつ雰囲気、それはデジタルアーカイブできれいに整頓された、やけに涼しくこざっぱりした不必要な居心地のよさのようなものですがそれにビックリしたのを思い出したので今回は行きませんでした。
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 さらに南には平和記念公園を挟む二本の川に平和大橋西平和大橋がかけられていてその高欄はイサム・ノグチのデザインということで有名です。平和大通りから来るとここが入り口になるけど原爆ドームの方からは反対側なので知らないと目にしないことが多いです。太陽をモチーフとしたとされる東側にかかる平和大橋を見ると一見、殻から飛び出したカタツムリが角を伸ばしたような形をしていますが、これほどに動物的で希望や生命力に溢れた、見る度に新しい橋を他に見たことはないです。老朽化のため架け替えが予定されているそうですが、そのままの形で残らない可能性もあるそうです。これがもう見られなくなるというのはちょっと信じられないです。
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