新婚旅行とフランスの建築4/3,4,5,6

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のんちゃんと関空でバスを降りて橋を渡り、チェックインカウンターへ。天井が翼のような形をしていて、巨大なグライダーの中に居る気がします。出発前のこの時間は狭いシートの機内よりも、空の旅らしさがあるかも。12時間後の夕方にシャルルドゴール空港へ到着。帰りにまた来ると思ってここの空港はよく見なかったけどSFみたいでかっこよかった。それよりもパリ。ということで、タクシーでポンピドーセンター裏にあるホテルへ。
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築30年とは信じがたい、建設中にも見えるポンピドゥーセンターは一度目にすると、周りに整然と並ぶ建物との大きさが違いすぎて驚きです。異質な外観がどこまで続くのか気になり、カラフルなパイプを見上げながら一週眺める。傾いた広場を降りて夕日の照り返す入り口へ。1階の本屋と地下のギャラリーを見て、エスカレータで最上階へ、と思ったが何故かセキュリティで断念。8時ごろ、日が暮れると、ライトアップで建物全体が光に包まれるとより印象強く見える。関空に続いてレンゾピアノを2つ見たがポンピドゥーのほうが細かいところまで全てがかっこいい。

  • 4/4 パリ〜ロンシャン

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夜明け前、人気のない街中を地下鉄まで歩いて東駅からTGVに乗り換え、ロンシャンへ。7時半ごろ日が登ると、牧草が広がり、馬や羊、牛が見えるようになる。Lure駅でタクシーに乗り換え、昼前に丘の上にあるノートル・ダム・デュ・オー礼拝堂へ。タクシーに行き先を告げると「オー、コルブジェ!」と元気よく答えてくれたので帰りのタクシーもお願いしました。丘の上からは地平線のように連なる山脈を背景に船の先のように尖ったコンクリートの屋根が白いでこぼこの壁の上に。中はとても暗く洞窟のようにひんやりしていて、天井を見上げるとさっきの屋根が船底のように壁の間を垂れ下がっている。灰色の壁に開けられた大小さまざまな四角い穴に取り付けられた色ガラスから光が入る。雲がないと、もっと強い色とりどりの光が床や壁に映し出されるはずですが、残念ながらずっと曇り。3つの礼拝堂から上に伸びる明かり取りのタワーは、外から見るとせりあがった屋根と共に互いを隠すので、位置によって建物全体の形が変わってみえます。何週しても飽きない。片道3時間半で、新幹線の本数が少なく滞在時間が2時間弱だったのはもったいないけど、礼拝堂は完全に光の導きが計算されていて、太陽の動きを静かに待つ貴重な闇の体験ができただけでも良かったです。東の壁に開けられた小さな穴が輝く朝の光もいつか見てみたい。例えばそれは、いつか小学校の体育館で見た、映画鑑賞中に風で揺れる暗幕の隙間から入ってくる一筋の強い光のような輝きのような懐かしい光かもと想像します。
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5時過ぎにパリに戻り、ルーブル美術館でニケとモナリザミロのビーナスを見て、ポンピドゥーセンター最上階のレストランへ。やっぱりパリは夜がいいです。ここの店内はコスト兄弟による内装や店員のドレスなんかも凄くて夜、ギラギラ光るエッフェル塔も眺められる都会的なレストランでした。

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賛美歌の聞こえる朝のノートルダム大聖堂で椅子に座って高い天井をぼんやりと眺めながら朝の散歩の疲れが癒されるのを待って、歩いてアラブ世界研究所へ。
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外壁一面に並ぶ自動で光量調節できる絞りは外が曇っていたのでほぼ全開でしたが、そのメカニックな部品一つ一つの重なりで色々な模様になるよう。最上階にはカフェもあったけど、朝一番で開いていなかったし時間もないので、この模様だけ見て駅へ。
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マルセイユの集合住宅、ユニテダビタシオンへ泊まりに行くため、パリのリヨン駅からTGVマルセイユへ。少し降っていた雨はやみ、牧草が続く中、小羊や白い牛など見かけない動物を見ながら3時間半ほどゆっくり。マルセイユは港町だけあってまだ気温は低いが風と日差しが強く空は青い。地下鉄に乗り換えてRond-Point du Prado駅からは大通りを南へ歩いて5分も歩くと西側にユニテダビタシオンが見えてくる。途中オリンピック・マルセイユというサーカーチームの本拠地スタッド・ヴェロドロームという大きなスタジアムが左手に見える。
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チェックインして部屋に荷物を置いて中にある本屋などを少し見て、屋上に上がると西に海、東北南には山が。たまたま居合わせた2人組みの男に声を掛けられ、後で住んでいる方の部屋を一緒に見学させてもらえることになりました。ラッキー。
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柔道の練習帰りの子供に中に入れてもらうと、女性がコルビュジェのデザインや工夫などを色々と説明してくれました。部屋は玄関を入ると右手にキッチン、奥に吹き抜けのリビング、左手の階段を上がってベッド、収納スペースを挟んで海の見える西側に子供部屋があった。防音がしっかりしていていくら騒いでも大丈夫というのがうらやましい。
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一度、スーパーで買い物をしてから屋上に戻り、オブジェのような換気塔、幼稚園や子供用プール、屋外映画のための壁や、ランニング用のトラックなどを見て夕日が地中海に沈むのを眺めました。

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 朝、東の空が明るくなると狭いと思っていた部屋がとても開放的になり、快適に目覚めることができました。泊まった部屋のアクセントカラーはマルセイユっぽい青で気に入ったほかにも赤や、黄、緑など部屋によって違う。
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地下鉄に乗り、そこから歩いて小さな船が港のコの字型いっぱいに並ぶマルセイユ旧港へ。日曜日ともあって、市場やカフェがにぎわっている。レストランのランチが始まるまで港をぶらぶら歩いた。
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色々レストランを見てまわってからテーブルクロスの白と植木の緑がきれいなレストランに。シャンパンもパンもサラダも美味しい。のんちゃんはムール貝をとても美味しそうに食べていた。メインのブイヤベースは口に合わなかったが、港の青空の下でこうしてランチをして過ごせる場所はとてもいい。
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その後、地下鉄でRond-Point du Prado駅にもどり、ユニテダビタシオンから見えていた海のほうまで歩いてみた。途中からビーチまで大きな公園になっていて、遊びに来た人々でとてもにぎわっていた。ここにくる人たちはここが大好きでよく来ているのだろうと思えるくらい海のそばは気持ちが良く、砂浜の上でサーフィンを眺めながら、波と風の音が聞こえてくる休暇らしい休暇になった。
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 ホテルに戻り部屋を変えるついでに改装をしていないキッチンのある部屋も見せてもらったりしたが、広いバルコニーもあってこの部屋のほうが、白くて快適です。
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 泊まった部屋は改装してありバスがあったりして家具は同じだったが、やはり白い部屋とはずいぶん印象が違いました。
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屋上は夜になるとスタジアムからの応援の音楽が聞こえてきました。マルセイユの公園でも水色のサッカークラブのユニホームを着た人がかなりたくさんいたのでみんな応援に行ったのかも思いつつ、この街の生活を少し身近に感じた夜でした。
つづく