布引観音

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 観音堂が崖から張り出しているという不自然さに、目を疑ったというかSFの世界ですね。崖の間で朽ちて傷んだ鎌倉時代の宮殿とその周りの鮮やかな緑の対照的なさまは、相容れないものがその場に同居してしまっているかのようにも見えるし、また形を変えずに守り続けられているようにも見えます。途中、他にもいくつか崖に埋まっているように見せるつくりの建物がありましたが、これが明らかに壁の表面までしかない見せ掛けのものだと、急に嘘っぽく感じられました。重なっていて見えないけどちゃんとそこにあるという感じというのは、龍安寺の石が庭に埋まっているのに似て、考えを巡らせるのに良い仕掛けなのかもと思いました。
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