アナログ感

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賢島の温泉旅館で一泊。目覚めるとまだ東の空が紫色だったので、急いで露天風呂までいき、日の出をじっくり待ってみました。空が明るくなってから日の出まで約30分、こんなに日の出を待つのが面白いとは思ってもみませんでした。太陽の出る方向を見ていると陰だった雲や山がどんどん姿を変えていくのです。まず山の上に並んだ影に立体感が出てきて、もくもくとした白い雲に。それからしばらくして山までと雲までの奥行きの差が大きくなって色づきはじめ、それぞれの距離感がはっきりする。同時に空気の層が見てとれるように。太陽が出てなくても、光の届く範囲は刻々と迫っていてそれが少しずついつもの景色を作っていくのですね。普段はいつの間にか明るくなっているので何も不思議に思いませんでしたが、じっと見ているとその自然のアナログな変化に立ち会っている気がしてすごくおもしろい。はじめからそこにあったはずなのに、見えなかったものがあるとき見えるようになって目を疑う。でも見えなかったのは光のせいでした。といった感じで暗くても何かしら納得できる形で見えてしまうために、何回でもだまされる。そうやって目が光の変化に遅れては追いつく、という新鮮さと驚きが繰り返されるのですね。
あと伊勢神宮にも寄りました。建物を取り囲む薄い板の壁や広く敷き詰められた石、林の奥に流れる川など、敷地は広いのにどれもの閉じこめられているので何か潜んでいるのではなかろうかという気になってくる。いろいろ調べてもう一度行きたい。
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