雲の上で

午前10時50分。関西空港から飛び立つと街は一瞬で小さくなり、大阪湾に次いで京都御所と琵琶湖が同時に見えてくる。
高度11000m。雲を抜けると景色は水平線で二つに区切られる。上は青空が広がり空気が薄いせいか暗く、後ろには白い三日月が南を指している。下は絨毯のようにめの詰まった雲のゲレンデが無限に広がっていてまぶしい。この景色からは飛行機が進んでいるのかわからない。たまに別の飛行機が猛スピードですれ違うがこっちは止まってるように感じる。微妙な振動のせいで左に旋回している気がしてきた。景色があっても視覚に頼るものがなければ水平方向の移動は分からないようだ。ただ雲に割れ目や肌理ができる時だけ、それはスキーの跡や風の作る砂漠の山にみえるのだけど、進行方向に進んでいくのがわかる。
高度を下げ再び雲の中へ。霧でにじんだ太陽がギラギラしている。下の雲にも反射でギラギラ。海に映った太陽のように。十勝はどんより曇っていたので帯広空港港のすぐ近くまできてやっと雪景色が目に入った。空を飛ばない裸の木が雪から顔を出して空の旅からお帰りと言ってるようだった。
ということでフライトを満喫し、空港に迎えに来てくれたのんちゃんと三ヶ月ぶりに会えました。